脳梗塞を発症して肉体的な後遺症や対策は、前回「フィジカル編(肉体編)」と称して記述しましたので、今回は「メンタル編(精神編)その1どん底:PSD」として、精神面のダメージを書き連ねたいと思います。
脳卒中後うつ病:PSD
まず、前置きとして「脳卒中後うつ病:PSD」について少々記載します。
脳梗塞の再発に怯えながら、片麻痺や感覚障害による身体の統制感の喪失で身も心も弱りきり、疲れ果て、せん妄や高次脳機能障害等々の精神面の変化を疑う自分自身との葛藤。表せないほどの、精神面、肉体面への多大なストレスからの鬱症状。それがPSD(Post-Stroke Depression)です。
それに加え、脳卒中(脳梗塞)、糖尿病、高血圧、そのどの疾患も「鬱状態」を伴いやすいというデータがあります。ちなみに、脳卒中は脳梗塞や脳出血、くも膜下出血を含む総合的な呼称です。
無気力・せん妄
私が脳梗塞を発症した後、「やりたいこともやったし、再発したらしたで、もういいかな…」という考えに囚われ、暫くは何も手につかない無気力状態が続きました。「立つ鳥跡を濁さず」で、脳梗塞が再発した場合のことを考え、そろそろ終活する最終段階にきたか…引き際くらい人様に迷惑かけないように、身辺整理をしておかねばなるまいと考えるようになりました。しかし、頭の中に靄がかかったみたいで考えが整理できず、不安だけが募る「せん妄状態」や、高次脳障害みたいなものも併発してるのかな?と、強い焦燥感に襲われました。
せん妄
簡単にいえば「身体に負担がかかった時に生じる「意識の混乱」」です。疾患により、理解力や注意力、記憶等々の機能が突発的かつ急激に低下します。進行すると認知症との識別が困難になります。
高次脳機能障害
記憶、思考、学習、判断、感情のコントロールといった働きを司る脳の機能を高次脳と呼びます。脳が脳梗塞や事故によりダメージを受け、それらの機能が損傷したことにより起こる障害。記憶障害・注意障害・失語症が起こり、性格や人格が変わり、攻撃的になる場合もあります。どの機能が損傷しても、これ以降の人生が変わる可能性を秘めた障害です。
焦燥感
簡単にいうと「気持ちが落ち着かず、思い通りにいかず焦る感覚。集中力が欠落した状態」が続く場合もあり、無意味に焦っていました。
孤独感・孤立感
ちぃコロちゃん(妻)や医師以外とは会話する気力もなく、深い孤独感や孤立感に襲われました。ただただ無意味に寂しい。払拭できない寂しさが続き、ぼんやりと窓の外を眺めたりしていました。
ここまでの症状が数ヶ月は続き「涙が出れば…悲しいと思っきり泣ければいくらか楽になるかも知れないな…」と考えて、何度か泣こうと努力しましたが…一粒の涙も流れず…どうしたものかと。涙もろい性格なのですが、自分自身のことのみの私事で泣く習慣がなく、自分自信がピンチになればなるほど、冷静にやるべきことを考え、最適解を模索する性格のせいか涙も流れませんでした。
こういう場合、「我慢せずにまず人に話すことで気持ちが軽くなる」「SOSの重要性」が最善策だと思いますし、そうすべきだと思います。とても重要なことですが、それが出来ない、意固地で面倒くさい男なのですよ。
世の中にはもっと大変で辛い思いをしている方々が大勢いらっしゃるのは重々承知ですが、発症時の数ヶ月で「深淵の縁」くらいには立ったかな?と思見ました。
鬱症状で薬に頼らなかった理由
「鬱」に対して、なるべく薬には頼りたくなかったので、事態が重くなった時の最後の逃げ道として残しておきました。抗鬱薬や抗不安薬、気分安定薬に頼らなかったのは、あくまで、私の心情や経験からくる独断です。それらの薬に対し、医師の進言があったり、必要と感じた方々にとっては重要な薬です。積極的に学び、効能や副作用を理解したうえで有意義に活用して下さい。
食生活の変化に伴うストレス
医師や栄養士の指導のもと、栄養管理や糖質制限のせいもあり、発症後から数ヶ月で、体重が約10kg落ちました。規則正しい朝昼晩の食生活を続け、浴びるように飲んでいたお酒も止めたので当然の結果ですが、やはり食への欲望は拭い切れず、それでも鉄の意志で耐え続け、それに伴う空腹時間も多大なストレスとなり襲いかかってきました。元々、飲み食い大好き・暴飲暴食…お酒も甘い物も大好きでした。それら全てが常に枯渇状態。
ちなみに、ちぃコロちゃん(妻)は、医師の診察や栄養士の指導にいつも同席していたので、その指示やアドバイスに加えて栄養関連や料理本を読み漁り、いつも良質な食物を作ってくれていたので、その点は感謝の気持ちとしてストレスの軽減になっていました。ちぃコロちゃん(妻)に感謝です。ちぃコロちゃん(妻)の料理やオヤツ特集もいずれやらせて頂きます。
私が脳梗塞発症後に、ちぃコロちゃん(妻)が作ってくれた低カロリー・低糖質・減塩・高繊維&高タンパクな初期メニュー(記念に撮っておきました)。SNS映えとか考える余裕もなく、彼女も必死でした(ちぃコロちゃん(妻)は「こんな料理全然憶えてない」そうです)。見た目は地味で、ちぃコロちゃん(妻)らしく素朴で豪快です…が、愛情が詰まっています。なみに、これらはお昼ごはんです。晩ごはんは、軽食程度でほぼ食べないようにしてます。
「メンタル編その1どん底:PSD」と称し、取り留めなく発症後のダークサイド面のみを書き連ねて、その対策も対処法もなにも無いままま、今回は終了させて頂きます。次回は「メンタル編その2さらにどん底:睡眠障害」です。ご高覧感謝。
脳梗塞発症直後のしげっトちゃん:目が死んでます、生気がないです。
この記事冒頭の1枚目の画像にもある「上奥富用水堰(この画像右後ろ)」は、ちぃコロちゃん(妻)が「私の気分転換に」と車でよく連れてきてくれました。二人とも滝の音や川のせせらぎが好きです。
「闘病記」バックナンバーのご紹介
脳梗塞・糖尿病・高血圧・脂質異常症・男性更年期障害や脳梗塞発症後、脳卒中後うつ病(PSD)や睡眠障害に悩まされた記録。自分なりの対象法。この「闘病記」が皆様の人生においてヒントの一つになれば幸いです。バックナンバーもこちらのリンクからどうぞ。
ご注意
この記事は医師や専門家が書いたものではありありません。あくまで「やまがらしげと」個人の独断による見解や判断が大量に含まれております。それらを解釈&実践して起きた被害、損害の責任は負いかねますので予めご了承下さい。疾患に心当たりのある方々は専門医へのご相談&ご診断をお勧めします。
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