脳梗塞の後遺症:メンタル編その2さらにどん底:睡眠障害

前回「脳梗塞の後遺症:メンタル編その1どん底:PSD」の続き「メンタル編その2さらにどん底:睡眠障害」です。脳梗塞の後遺症編のバックナンバーは文末にありますのでご参照下さい。

もくじ

幼馴染おさななじみ病没びょうぼつ

話は少し戻りますが、私が脳梗塞を発症してから1ヶ月も経たない頃、互いに信頼を寄せていた幼馴染が病没びょうぼつしました。幼稚園の頃からの友人で、私が脳梗塞を発症したことを、同級生で唯一カミングアウトしていた男です。訃報ふほうを聞いた一週間前にも「お互い生きてたらまた会おうな」「あぁ生きてたらな」という軽口を交わして電話を切ったばかりだったのに…当時、私は、「なんで私を連れて行ってくれなかったのか…」と深く喪心そうしんしました。幼馴染の突然の訃報は「脳卒中後うつ病:PSD」や「睡眠障害」に拍車をかけたのでしょう。

不眠と睡眠障害

発症前から万年睡眠不足だったので、脳梗塞発症後の生活習慣改善は急務きゅうむだったのですが、脳卒中後うつ病:PSDも追加され、睡眠障害は絶頂へ!寝付きはそんなに悪くないのですが…やっと寝付いたと思ったら、ふとした瞬間に目覚め、深夜~早朝覚醒して、覚醒後はそのまま眠れず…心身ともに疲弊ひへいしていきました。これは本当につらかったです…前回の記事に記載したように、うつ症状では薬を使いませんでしたが、近年になって発売された「依存性や離脱症状がなく、筋弛緩作用、持ち越し効果等々の弊害がない新しい睡眠薬・不眠症治療薬」に行き着きました。

簡単用語解説

 依存性
この場合、睡眠薬が止められない状態。
 離脱症状
依存性のある薬を止めることにより生じる様々な弊害。精神的にも追い詰められます。
 筋弛緩作用きんしかんさよう
筋肉の緊張が緩んで、フラつきや転倒の危険性が高まります。
 持ち越し効果
目覚めても眠気が続く状態。四六時中、睡魔におそわれます。

新しい睡眠薬一覧:簡単な解説付き

下記3点は依存性が極めて低く、筋弛緩作用きんしかんさようが少ないため、転倒のリスクや、呼吸機関への影響が少ないことがメリットの1つです。

ロゼレム:2010年発売

メラトニン受容体作動薬という新たな不眠症治療薬。睡眠のリズムを取り戻し自然な入眠を誘います。鎮静作用や抗不安作用はなく、 筋弛緩作用や依存性もないため安全性が高い。そのため、効果は若干弱く、速効性はありません。禁忌きんき:CYP1A2を強く阻害する薬剤

ベルソムラ:2014年発売

オレキシン受容体拮抗薬という「ロゼレム」よりも更に新しい不眠症治療薬。有効成分は「スボレキサント」。入眠に作用したうえに睡眠の維持や熟睡作用があります。一般的なベンゾジアゼピン系睡眠薬のような副作用が少ない安全な睡眠薬。一包化いっぽうかできないため割って飲む等、量の調節が出来ないのが難点。禁忌きんき:CYP3Aを強く阻害する薬剤

デエビゴ:2020年発売

ベルソムラと同じタイプのオレキシン受容体拮抗薬。有効成分は「レンボレキサント」。中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害に有効な睡眠薬です。私の場合、使い始めは軽い「持ち越し効果」が出たので2.5mgを処方してもらい、身体が慣れた半年後に5mgにしてもらいました。副作用に悪夢が多いみたいですが、私は平気でした。難点はまだジェネリックがないので高価なことです。禁忌きんき:肝機能障害

試した結果、最終的に

私は上から順番に試しましたが、数年掛かってデエビゴ5mgでやっと落ち着きました。この間、わらをもつかむ思いで、市販薬や睡眠を誘発すると評判の良いサプリメントも服用しましたが、中途覚醒の症状が強い私には効果がありませんでした。今回紹介した3つは安全性が高く、依存性のない新しい睡眠薬ですので、不眠に悩む方々は、気軽に試してみて、症状や身体に最適なものを探してみて下さい。健全な生活のリズムを取り戻しましょう。

男性更年期障害(LOH症候群)

男性ホルモン(テストステロン)は加齢とともに穏やかに減少していき、その過程で身体的、精神的に様々な症状が出る場合があります。鬱や不眠、不安、意欲や集中力の低下等々…場合によっては自ら命を断つ例もあります。ここまで記載した「脳卒中後うつ病:PSD」の症状を全て併せ持つ恐ろしい疾患です。しかも、大病等により、強いストレスが長時間続くと、男性ホルモン(テストステロン)が急激に減少する場合があり、私の場合がそれでした。

女性の更年期障害が、一般的に閉経後5~10年程度で落ち着くのとは違い、男性更年期障害には終わりがなく、各症状が果てしなく続く場合もあります。もし仮に、気力や集中力が低下したと感じている男性は「男性更年期障害」を疑って、泌尿器科の血液検査でテストステロン値や血中PSA測定をチェックしてみて下さい。いずれにせよ、「男性更年期障害」との戦いの記録は長くなりそうなので、次回以降に個別記事として詳しく記述させて頂きます。

PSA:前立腺がん早期発見のために

血中PSA測定は「前立腺がん」の早期発見に有効な数値です。この値によって男性更年期障害の治療法が変わります。男性更年期障害でなくても、男性のみの疾患「前立腺がん」の早期発見に必須の数値です。他の血液検査とまとめてやっちゃいましょう。

前立腺は男性のみの生殖器官ですので、女性前立腺がんになることはありませんが…女性前立腺がんの報告例も、極々稀ながらあるみたいです。

処方薬の徹底的な調査

脳梗塞発症で医師から処方された薬(脳梗塞・糖尿病・高血圧・脂質異常症等々)を飲み始めましたが…発症後の精神的に疲れた状態で、朦朧もうろうとしたまま、ネットを使って、その処方された薬の成分や作用 メリット、副作用 デメリットを徹底的に調べました。過去に何度か病院でひどい目にあったこともありまして、医者を信用していなかったのです。
このような様々な負の要素を背負った精神状態で、まともな結論が出るわけもなく、疲労度は増すばかり、おまけに処方薬の副作用 デメリットばかりに目がいってしまい、更に深く身も心も蝕まれてしまいました。心因性しんいんせいの動悸や呼吸困難やらも併発していたみたいです。完全な自爆です。アホか。

しかも、この処方されたお薬自体も身体が慣れるまでは、動悸、息切れ、胃腸やらあらゆる体調不良があって当然&普通みたいな…「勿論、不調が続きましたよっ」という落ちです。アホやな

夜の昭和アニソン・ドライブ

PSDのためか、安静にしていても、ネガティブなことばかり考え、気をまぎらわせるためにつけたテレビや映画を観てもうわそらで、気持ちが沈んでいきました。そのため、リハビリを兼ねて外出するようにつとめましたが、夜が深くなるにつれ、心細くなり、寂しくてたまらず、孤独感や焦燥感しょうそうかんに襲われていました。それを見兼ねた、ちぃコロちゃん(妻)が、私がほどよく疲れて眠くなるまで、夜のドライブに連れ出してくれました。車内で掛かるBGMは何も考えず明るい気持ちになれるよう、昭和~平成のアニメソングや特撮ソングばかり。私の気持ちが落ち着くまで、約2年の間、このドライブを続けてくれたちぃコロちゃん(妻)に感謝。…今も孤独感や焦燥感に襲われることはありますが、少しやり過ごせるようになりました。

子どもの頃からテレ玉(テレビ埼玉)で再放送していた昭和アニメに慣れ親しんでいたので、昭和~平成アニメに何の抵抗もない、埼玉・川越っ子のちぃコロちゃん(妻)。テレ玉は夕方の時間帯に昭和アニメを再放送してくれる良放送局です。(昭和アニメ「黄金バット」やら「赤き血のイレブン」の再放送を観てたらしいこれらは私が昭和40年代に本放送で観てたアニメ群)私らのプレイヤーに入ってる曲はアニソンだけでも400曲を超えます。

長逝ちょうせいした幼馴染へ

脳梗塞発症で身も心も疲弊ひへい、どん底にいた私は、お前さんの訃報を聞いて、暫くの間「なんで私を連れて行ってくれなかったのか…」と痛切つうせつに考えていたけど…今現在、私はまた「やるべきこと」が沢山出来たから、まだ連れて行ってくれなくていいよ。私は生けるところまで行くわ。いずれまた会おう!

「メンタル編その1どん底 PSD」と、この「メンタル編その2さらにどん底:睡眠障害」で「どん底」シリーズは終了です。次回は「メンタル編その3希望の一歩」です。ご高覧感謝。

「闘病記」バックナンバーのご紹介

脳梗塞・糖尿病・高血圧・脂質異常症・男性更年期障害や脳梗塞発症後、脳卒中後うつ病(PSD)や睡眠障害に悩まされた記録。自分なりの対象法。この「闘病記」が皆様の人生においてヒントの一つになれば幸いです。バックナンバーもこちらのリンクからどうぞ。

ご注意
この記事は医師や専門家が書いたものではありありません。あくまで「やまがらしげと」個人の独断による見解や判断が大量に含まれております。それらを解釈&実践して起きた被害、損害の責任は負いかねますので予めご了承下さい。疾患に心当たりのある方々は専門医へのご相談&ご診断をお勧めします。

「脳梗塞発症後の生活」バックナンバーのご紹介

脳梗塞発症後の生活のページ一覧です。リハビリウォーキング、公園案内や自然、生き物の記録。リハビリボウリングや食生活、買って良かったもの等々、ライフログです。

脳梗塞発症後の生活

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